* matohu 2011-12 A/W COLLECTION 「無地の美」

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matohu 2011-12 A/W COLLECTION 「日本の眼」 第3章

テーマは「 無地の美 」

日本人は「無地」の中に美を見いだし、愛でてきた。ただし、その無地はいわゆる「柄も色も何もない無地」ではなく、モダニズムにみられる「引き算の無地」でもない。むしろ自然に生まれた色ムラやテクスチャー、手触り、使い込まれて出た深い味わいを含め、一見模様のないものの中に「景色」を読み込み、その美を探りあててきた。それを「無限の存在」を内に含んだ「無地」と言おう。  これらは特に陶器などの鑑賞で現れる日本人特有の美意識だが、matohuのこのコレクションでは、普段目に触れているが、「無地の美」として捉えられていない日常の風景を切り取り、その色や質感を素材に落とし込んでいる。たとえば苔むしたブロック塀や、ごつごつした樹皮、枯れた芝生や使い込まれた机の天板など、見過ごしがちな多くのイメージを「無地の美」として捉え直している。  ここで重要なことは、「無地の美」は確かに単独でも美しいが、それだけで完結するものではないという事だ。日本人がなぜ味わい深い無地の陶器を愛でてきたかと言えば、そこに瑞々しい草花が生けられたときに、本当の意味でその「花」を活かしてくれるからである。

「無限の表情をもつ無地」が、それをまとう人=花の美しさを際立たさせてくれることを目指したコレクション。

宮原夢画氏による映像と写真で新作を発表します。

ムービーはこちらから ↓   (スタートまでに数分時間がかかります・・・)


土壁を思わせる背景に、無地の美をまとった女性がしなやかに立ち、その人本来の美しさを際立たせる。光の明滅は和紙を通した光のように柔らかく、陰影の効果がテキスタイルの表情を絶え間なく変えていく・・・中性的でシンプルなシルエット