*araisara ~勇将の美~

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araisara 2011-12 A/W COLLECTION    – 勇将の美-

日本の価値観は、天下統一を目指した勇将たちによって大きく変わりました。一途に意志を貫いた勇将たちのどんな状況にも前向きに立ち向かう生き様、内に秘めた力強さ、装いの美しさを 現代にも反映させていきたいという願いを込めた今シーズン。

会場は文化財保護委員会(文化庁)指定、国の史跡に指定されている「湯島聖堂」の回廊。

湯島聖堂は1690年徳川五代将軍綱吉によって創建され、以後学問・教育の総本山として現在も孔子を中心とする東洋の思想・学問・文芸等の研究、普及、振興と伝統を継承するため管理されています。

「古き良きものを現代にそして未来へ」をブランドコンセプトとして掲げ、新しい視点から伝統文化とファッションの繋がりを表現するため、東洋の文化・風景・自然・心などからのインスピレーションを大切にしているブランドだからこそ「勇将の美」をテーマとした今シーズンにデザイナーがこだわったのがこの場所です。演出は震災後の電力不足、万が一の場合の安全面などを考慮し、お客様の人数は制限、ライトはカメラマンの撮影の為に最低限(バックヤードも合わせてドライヤーを2台使用している程度)に抑えながらメインは自然光(その光の差し加減がベストな時間をショータイムにするため演出家何度も会場に足を運びました)、音楽はヴァイオリン・ヴィオラ・チェロの弦楽四重奏による生演奏(アンプも使わず演奏者にとっては大変な力強い楽曲を作っていただきました)に変更。今回のコレクションでは服を発表するだけではなく、失ってはいけない伝統や日本の繊細な美しさや力強さを世界にに向け発信したいというデザイナーの強い思いがありました。その気持ちが朝からの雨を本番前後の数時間だけ好天にさせたのでしょうか。予定通りにランウェイに斜めに日が差し込む中、オリジナル曲「勇将の美」と共に厳かにショーはスタートしました。


-染め-   日本の代表的な伝統工芸である繊細で緻密な京友禅の手描き染めに 油絵の技法を取り入れ、熟練された技術をもつ職人が描きました。 また、ゴールドやシルバーの染料で市松模様を崩し、モダンにアレンジさせた柄を、型を用いて模様を象る伝統工芸「型染め」で染め上げ、 さらに従来の様々な型を重ね合わせた新しい型染めにも挑戦しました。レザーアイテムに使用しているのは蝦夷鹿のエコレザー。北海道で繁殖しすぎた蝦夷鹿の革を使用するプロジェクトでの一環。命を受け継ぐ気持ちで初めてレザーを使用してのデザインに望みました。


-九十九式- araisaraの服は多種多様な着方があり、着る「人」によって完成されます。 体型やサイズも関係なく、男性も女性も幅広く着用できるよう考え抜かれた パターンで創られています。ショーでは同じジャケット、男性が着るとパンツ女性が着るとドレスというかたちで九十九式をみせました。

-時織- 着物の生地、ヴィンテージの布や刺繍等と現代の生地を繋ぎ合わせて創られるaraisaraのシグニチャー時織。
今シーズンは強いモチーフやイメージを重ね合わせることにより重厚感と力強さを表現し、新しい手法の時織が生まれました。

Show Staff
Designer :  Sara Arai
Director :  Hiromasa Tsujii (DRUMCAN)
Stylist :  Keiko Seya
Hair & Make : Yuka Ishizuka (SHISEIDO)
Music :  Koki Nakano
Shoese :  LARARE


・ショー会場ではチャリティー手ぬぐい(江戸時代から伝わる伝統工芸宮染めの手ぬぐい)募金箱を設置し、1口500円で販売、ご来場の方々にご協力いただきました。その収益はアトリエMEIより日本赤十字社へ震災の義援金として寄付させていただきました。被災地の一日も早い復興を心より願っております。